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フルートの歴史 02

02 西洋におけるフルート属の誕生

BC2C
吹口と指孔をあけただけの単純な横笛は、石器時代の文化を営む民族が利用していることから、すでに先史時代の世界各地に存在していたと考えられています。

ヨーロッパに残された史料としては、BC2世紀のエトルリア(現在のトスカーナ地方−ペルージャ付近)の蔵骨器のレリーフが、最古のものといわれています。
(↑この写真を掲載しているサイトは見つかりませんでした。)

Roman bronze flutes

古代ローマ(1-2C)のブロンズフルート(大英博物館所蔵)


15C前
音楽書に登場して、芸術楽器としての評価を受けるようになったのは、ルネッサンス時代の終り頃になります。
Sebastian Virdungの<ドイツ語による音楽概観 Musica getutscht und aussgezogen>(1511)には、横笛 Zwerchpfeiffとして軍楽のフルートが紹介されています。

また、やや遅れて1529年に出版されたMartin Agricolaの<ドイツの器楽Musica Instrumentalis Deudsch>(1545年改訂)には、横笛 Querpfeiffまたはスイスの笛 Schweitzerpfeiffの名前で、discantus altus tenor bassusの4種のフルートのイラストが掲載されています。

フィルドゥングとアグリコラの著書で紹介されたフルート→

ただし本文の中では、A管、D管、G管の3種が存在するとしています(この矛盾の理由は不明ですが、改訂の間に3種に統一されたのではないでしょうか)。

この3種の中で、D管の楽器が今日のフルートの直接の祖先になりました。適度な大きさと性能(他の楽器より音域が広い)から生き残ったといわれています。

また演奏についても、ふるえる息(zitternde Wind)が推奨され、ヴィヴラートに関する史上初の記述がみられます。

これらはルネッサンスフルートとよばれ、吹口と6つの指孔をもち、1本の木をくりぬいて作る円筒管の楽器でした。ただ、当時は工作精度が低かったために歪みがあり、正確な円筒形にはならない楽器が多かったそうです。

ルネッサンスフルート→

コピー楽器→


16世紀後半
オペラの誕生とともに、劇的効果を上げるために、器楽の重要性が認識されるようになり、木管楽器の性能を上げるための改良が始まりました。これは、木工製作技術の進歩と軌を一にしています。正確な史料は残されていませんが、多くのメーカーがこれに取り組み、その中でも、Jean Hotteterreとその一族による改良は、先駆的業績と見なされています。

オットテール→

1680年頃に完成したといわれているオットテール型のフルートは、その後、モーツァルトの時代まで使用され、バロックフルートと総称されています。

その改良は、すでに完成していたリコーダーにならったもので、3つの接合部をもつ円錐管の楽器に仕上げられました。円錐管への改良は、高音の荒い音色を和らげるためと考えられていましたが、時代とともに疑問視され、後述するように、ベームによって円筒管に戻されています。

また、頭部管の分割は今日と同様、音高調整のためで、足部管の分割はes/disキーの取り付けによって生じた、修理の便のため必要になったものです。

リコーダーでは、es/disを半開方式で奏していましたが、フルートでは音色と音程が悪かったために、es/dis専用の指孔をあけましたが、その指孔に小指がとどかないために、大型の楽器ではルネッサンス時代から採用されていた閉鍵を付け、1鍵フルートが誕生しました。

当時はフルートというとリコーダーを意味していたので、このフルートはわざわざ「横笛」flauto traversoと呼ばれました。今日では、flauto traversoというとバロックフルートのことを意味するようになっています。

その後、1鍵フルートは胴部管を2つに分けて、4部分の楽器になりました。工作を容易にして精度を高め、左手用の接合管に長さの違う替管を2〜6本用意して、都市によって異なっていたピッチに対応させることが目的でした。

バロックフルート→
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都内の音楽大学で作曲と音楽理論を教えています。
大学の講義で使用してきたノートを整理していますが、少しでも多くの方のお役に立てばと思い、その一部を公開することにしました。
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