04 イギリス式アクション
文中の
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1756〜63年の7年戦争は、ヨーロッパ中を混乱の渦に巻き込み、楽器業界も深刻な不況に陥ってしまいます。そこで職場を失ったドイツのすぐれたピアノ職人たちは、同じ戦争中とはいえ、火の手の遠い同盟国のイギリスに活路を求めて移住しました。
ジルバーマンの弟子ツンペ Johannes Zumpe もその一人でした。
ツンペのスクエアピアノは、音がきれいでタッチも揃っていると評判がよく、ロンドンで大きな成功を納めました。スイスから来たシュディBurkat Shudiとチェンバロの製作を始めたブロードウッドJohn Broadwoodは、ツンペのコピーからピアノ製作を始め、イギリスを代表するピアノメーカーになりました。

Johannes Zumpe 1767 London
ロイヤル・アルバート博物館蔵
ツンペのもたらしたアクションは、クリストフォリのアクションをそのまま単純化したような突き上げ式の構造で、シングル・アクションとよばれていますが、1776年にバッカース Americus Backers がエスケープメントを復帰させて、イギリス式アクションが生まれました。
ブロードウッドはこのアクションのピアノをさらに改良してイギリス式アクションを完成させ、打弦点、ペダルなどでも特許をとりました。


Americus Backers 1772 London エジンバラ大学楽器博物館蔵
この楽器には、まだエスケープメントはついていません。
ブロードウッドのピアノイギリス式アクションの動きウィーン式の特徴である、軽快なタッチと明るい音に対して、イギリス式は深いタッチと重厚な音を特徴とし、ブロードウッドのピアノを弾いたベートーヴェンはその豊かな表現力をほめ讃え、「ハンマークラヴィーア・ソナタ Op.106」を作曲したといわれています。
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