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ピアノの歴史 03

03 ウィーン式アクション

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ジルバーマン以後、ドイツ語圏の国々ではチェンバロ職人が次々とピアノを作り始めましたが、クリストフォリ式のアクションは、クラヴィコードに慣れた人々には、好まれないと判断され、クラヴィコード状の直方体の箱に、より簡素でタッチの軽いアクションを納めたスクエア・ピアノ square piano(ターフェル・クラフィーアTafelklavier)が作られました。

スクエア・ピアノの写真

タッチが重すぎる、ケースが大きすぎる、経費がかかりすぎる、というのが主な理由でした。そこで、ハンマーをクラヴィコードの打弦点に近づけるためにハンマーの向きを変えた、突き上げ式とはね上げ式の2種類の簡素なアクションが考案されました。

このサイトの中の Prell-und Stossmechanikを参照

どちらも、エスケープメントもバックチェックもない単純なアクションであったために、音が途中で消えたり、2度打ち・3度打ちの打弦になってしまったりで、音楽家には満足のいくものではありませんでした。

 ジルバーマンの兄 Johann Andreas Silbermann の工房でオルガンの製作を学び、チェンバロの製作技術も身に付けたドイツのシュタイン Johann Andreas Stein は、1770年、はね上げ式のアクションに、エスケープメントを復活させたアクションを作り、後にウィーン式アクションとしてドイツ語圏の国々広く普及するピアノを作りました。
 アウグスブルグのシュタインの工房を訪れ、そのピアノを弾いたモーツァルトは、有名な絶賛の手紙を父親に書いています。

シュタインのピアノ

しかし、シュタインのピアノは高額であったため、モーツァルトは手に入れることができず、シュタインのピアノにバックチェックをつけて改良した、ワルターAnton Walterの中古を愛用することになりました。

ワルターのピアノ

ワルターのピアノアクション
09b1.jpg


ウィーン式アクションの動作

シュタインの娘ナネッテとその夫シュトライヒャーは、ウィーンに移って、名器とよばれるピアノを次々と作ったので、ドイツ式アクションはウィーン式とよばれ、ドイツ語圏の国々のほとんどのピアノが、このアクションを採用するようになりました。

スタインウェイは19世紀後半まで、ベーゼンドルファーは20世紀初めまでこのアクションのピアノを作っています。
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Author:賀田麗太郎
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都内の音楽大学で作曲と音楽理論を教えています。
大学の講義で使用してきたノートを整理していますが、少しでも多くの方のお役に立てばと思い、その一部を公開することにしました。
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